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純粋菜種焙煎工房 ほうろく屋

杉崎さんは、愛知県西尾市でほうろく屋という、昔ながらの「手絞り」で菜種の搾油にこだわる油屋さんです。精油業界も、今でこそ大手が大々的に行う生業になりましたが、杉崎さんはある想いから、少量でも品質の良い油を絞る事にこだわって作られています。

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ほうろく菜種油

大手精油会社が、大量生産の製法に切り替えるなか、少量で単価が高くなる老舗の小さな精油会社は、姿を消してゆく時代に、杉崎さんの師匠とも言える、先代ほうろく屋の主人、大嶽喜八郎氏は引退するまで昔ながらの製法で油を搾り続けていました。
その理由は、近隣の農家に「スーパーに並ぶ食用油では、飯が食えん」「少量でも種を作るから、頼むから、油を搾ってくれ」と、頼まれ続けたことにありました。
使う人に愛され続けたその油は、品質の高い本物の油を作る職人の、モノ作りへの想い、人に求められる喜びが感じられます。

現代に繋げる想い

スーパーで売られている大手精油会社の油の価格に慣れていると、ほうろく菜種油はとても高価な商品になります。それでも、昔ながらの搾油製法にこだわるのには、杉崎さんの想いがあるため。
先代の大嶽さん元で働いていた時代、大嶽さんの油の味にふれ、本当の油の味を知り驚いたそうです。
今の主婦のみなさんに、本当の油の味を知ってもらいたい、もう一度この油を世の中に出さないといけないと強く感じ、その想いから「生業」としての、搾油復活を目指す事を決められたそうです。

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まっすぐな油

ほうろく屋の菜種油は、杉崎さんが5年間奔走して、近隣農家さんに菜種を作って頂いたものを原料としています。もう一度、あの油を世に出したいと言う思いから、地域の農家さんの賛同も得て、作って頂いているものです。預かった種は、先代から受け継いだ道具を使い、品質にこだわりに搾油されて行きます。
種の温度が上がりすぎれば、油はよく絞れますが、油自体が変質して味が落ちます。薬品を使わない限り、変質を元に戻すことは出来ないと言います。
何もせず、自然のままで最も美味しい油に仕上げるため、温度には常に気を配ります。

杉崎さんは、油をこだわって搾油する中で生まれてくる、コミュニティの大切さを感じています。
種を作る農家さん、油を口にするご家庭のみなさん、地域の食育として菜種作りに関わる子ども達、搾油を手伝う障がい者の働く場として。
本当に良いものには、そのモノの周りに同じ想いの人が集まり、より良いコミュニティが生まれます。杉崎さんのほうろく菜種油も、とても繊細に作られ質のいい油として、多くの人に愛される品だと感じました。

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文:加藤康次

2014.10.14

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